過去の受賞履歴
CEATEC AWARD 2026
大臣賞


三菱電機グループ
フィジカルAIの“耳”:多様な現場の音から、異常音も人の声も聞き分ける「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」
工場や公共空間では、機械音、人の声、環境ノイズが重なり、AIが必要な音を正確に捉えることが難しい。三菱電機グループの「タスク汎用音源分離技術(TUSS)」は、収音した混合音から分離・抽出したい音の種類を指定し、音声分離、音声強調、機械音分離など、従来は用途ごとに専用モデルが必要だった処理を単一のAIモデルで実現する。現場や目的が変わってもモデルを作り分ける必要がなく、柔軟に対応できる点が特徴だ。処理の高速化やマイク本数に依存しない設計により、ロボットや監視機器、設備機器などへの実装も想定する。画像・映像中心だったフィジカルAIに聴覚情報を加え、異常検知や音声認識、現場記録などの精度向上を支える。音をデータとして高度に活用し、AIが現実世界を理解する幅を広げる基盤技術として、幅広い展開が期待される。
大臣賞


TDK株式会社
スマートグラス用ディスプレイ向けメタオプティクスミラー
AIとの連携で次世代端末として期待されるスマートグラスでは、表示性能に加え、日常的に装着できるデザイン性や光学系の小型・薄型化が普及の鍵となる。TDKは、ナノサイズの反射構造で光の反射方向を制御する「メタオプティクスミラー」を開発。網膜直接描画型ディスプレイで眼前に必要だった大きな曲面ミラーを薄型・平坦化し、眼鏡レンズへの埋め込みを可能にした。光干渉による虹模様を抑えつつ高い透明度を確保し、通常の眼鏡に近い外観を実現する。従来の網膜直接描画方式が抱えていた外観上の制約を、ナノ構造を用いた部品技術から解決し、高価な導波路に依存しない光学系の簡素化にもつながる。スマートグラスの実用化を前進させ、次世代インターフェースの市場形成を支えるものづくり技術として、今後の展開が期待される。
大臣賞


株式会社 日立製作所
「ハーモナイズドソサエティ」の実現を支えるAIソリューション群「HMAX™ by Hitachi」
人材不足や熟練技術者の減少、設備の老朽化など、社会インフラを支える現場の課題は深刻化している。「HMAX™ by Hitachi」は、鉄道、電力、産業、金融などを対象に、日立が培ってきたOT(制御・運用技術)、IT、プロダクト技術、ドメインナレッジとAIを組み合わせ、運用・保守・制御・意思決定を高度化するAIソリューション群。現場のデータを分析するだけでなく、その結果を実際の運用や制御に反映し、継続的な改善につなげる。安全性や信頼性が不可欠な社会インフラで、AIを実際に動く設備やシステムへつなぐ実装力が特徴。個別設備の予兆保全や運用効率化から、複数の設備・業務を横断した最適化へと発展させる構想も持つ。AIを社会インフラの安全・安心とレジリエンス向上につなげる取り組みとして、今後の展開に期待が寄せられた。


シャープ株式会社
排水レス循環型洗濯システム「トリプルフリーランドリー」
災害時の避難所では、断水や排水設備の制約で洗濯が難しくなり、衣類を清潔に保つという日常の衛生を維持しにくくなる。シャープの「トリプルフリーランドリー」は、洗濯排水を多段階で浄化して再利用する循環型洗濯システム。平時は通常のランドリーとして使い、有事には循環モードへ切り替えることで、固定の給排水設備が使えない状況でも洗濯を継続できる仕組みを目指した。災害専用品を備蓄するのではなく、平時に使っている設備を有事にもそのまま活用する「フェーズフリー」の発想が特徴だ。固定の給排水設備に依存しないため、避難所だけでなく、水量が限られる船舶や離島、水道インフラが未整備な地域への展開も想定する。「どこでも使える洗濯機」という価値を家電技術から具体化し、水の制約がある場所でも洗濯という生活インフラを維持する新しい選択肢を示した点が評価された。


株式会社 村田製作所 / メルトインターフェーステクノロジーズ株式会社
Physical AIの“データの入口” ― 人の手指動作を高精度に捉え、AI・ロボットへつなぐハンドトラッキンググローブ
Physical AIが人の仕事を支援・代替していくには、現実の作業を学ぶための質の高いデータが欠かせない。とりわけ手指の細かな動きは、カメラでは遮蔽が起き、IMUでは誤差が蓄積するため、長時間安定して収集しにくい。村田製作所とメルトインターフェーステクノロジーズの「ContactGlove3 Pro」は、電磁場(EMF)方式で5本指の位置・姿勢を捉え、実作業を継続的にデータ化する。単なる骨格座標ではなく、「どの工程で何をしている時の動作か」という作業文脈と結びつけることで、AIにとって意味のあるデータになる。熟練動作を高品質なデータとして蓄積できれば、ロボット学習や技能継承、自動化が難しかった細かな手作業へ活用範囲が広がる。ヒューマノイドを含むPhysical AIの社会実装を、データの入口から支える基盤技術として評価された。


太陽誘電株式会社
においセンシング x AI で挑む「がん」の早期発見 ~兆しを嗅ぎとる0次スクリーニング~
がんの早期発見では、検査技術の高度化だけでなく、自覚症状がない人を検査へつなげること自体が課題となる。太陽誘電は、尿に含まれるVOC(揮発性有機化合物)の反応パターンを独自のQCMセンサで捉え、AIで解析するにおいセンシング技術を開発。身体への負担が少ないサンプルから変化を捉え、必要に応じて医療機関での検査を促す「0次スクリーニング」を提案する。診断を置き換えるのではなく、その前に「気づき」をつくる発想である。電子部品で培った材料・薄膜・微細加工技術を健康分野へ展開し、人が感覚的に捉えてきた「におい」を比較可能なデータに変える。日常生活の側に受診のきっかけを増やすことで、検診・診断技術だけでは届きにくかった「そもそも検査を受ける」という行動につなげる。がんの早期発見を、医療技術だけでなく受診行動につなげるところから支えようとする取り組みとして評価された。
各賞
イノベーション賞
-

アイクリスタル株式会社
プロセス全体最適化プラットフォーム
-

Direava株式会社(NEDO)
外科手術支援のための視覚・言語統合型AI基盤モデル〜手術の文脈を理解する、次世代Surgical AI〜
グローバルイノベーション賞
-

NoorNation
NoorNation for Renewable Energy
トランスフォーメーション賞
-

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
AIエージェントがロボットを育てる ― 一行の指示から実機までをつなぐPhysical AI自律R&D基盤
ネクストジェネレーション賞
-

TopoLogic株式会社
常識を覆す新素材×超高速「熱」検知技術で世界の市場を切り拓く
-

zeteoh株式会社
TRAILS ― スマホのみでGPSの届かない場所でも位置測位できる空間AI
モビリティイノベーション賞
-

エバーブルーテクノロジーズ株式会社
雪国の危険・重労働を無人化する国産陸上ドローン「除雪ドローン®」

