フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 98

インタラクティブディスプレイ市場はまたも過去最高の四半期に

2015年09月11日

2015年9月1日英国Dunstable発―英国市場調査会社Futuresource Consultingによれば過去10年間、インタラクティブホワイトボード市場は驚異的なペースで成長してきた。当初はイギリス、メキシコ、アメリカで導入されたが、今や世界中に広がっている。ここ数年にわたる技術の進歩により、市場ではインタラクティブフラットパネルの勢いが増している。特に顕著なのがオランダ、韓国、イギリスで新たなベンダーの市場参入を促している。

世界のインタラクティブディスプレイ市場(参照1)は前年比7%の伸びを示し、30万台の販売を記録して過去最高の第2四半期となった。高価格なインタラクティブフラットパネルへの移行が著しく、なんと市場の57%を占めている。これにより売上の急伸が予想され、2019年まで16%のCAGR (年間平均成長率) が見込まれる。

しかし数字を精査してみると、特に欧米のベンダーにとってそれほど健全な状況ではない。世界的な需要の50%超を中国市場が占めており、そのほとんどすべてを中国のベンダーが供給している。トルコのFAITHプロジェクトの大規模入札 (ディスプレイ総数35万台) も販売に大きな影響を与え、第2四半期の出荷台数は6万台を記録した。

これらの2カ国を分析対象から除くと、出荷台数は前年比17%減だった。多くの市場ではPC、ソフトウェア、デジタルコンテンツなどの1対1の学習ソリューションへの投資にますます重点を置いており、これらの成長国への進出において多くの主要ベンダーの課題を浮き彫りにしている。Net DragonがPrometheanを8400万ポンドで買収したことにより、今四半期はこの問題が際立っている。

インタラクティブフラットパネルが標準ディスプレイに

Futuresourceのシニアマーケットアナリスト、コリン・メッセンジャーによると、「インタラクティブホワイトボードに代わってインタラクティブフラットパネルディスプレイの急伸が続いており、現在は調査対象67カ国の半数でインタラクティブフラットパネルディスプレイが売上の20%を占めており、17カ国では50%を超えている。もっとも先進的な国のひとつ、イギリスでは80%に達している」。

2014年から2016年まで世界の市場は2倍に拡大へ

企業の会議室では双方向性への関心が高まっており、2016年1月にはMicrosoftのSurface Hubの販売が開始され、会議室の双方向性の利点への認識が広がり、コラボレーションのための簡単に使える直感的なプラットフォームが提供されることで、市場は非常に活気づくだろう。Futuresourceはアメリカ、イギリス、西ヨーロッパ主要国において2016年以降の法人販売の増加を予測している。Futuresourceの推定では学校への普及率は20%だが、企業に対してはわずか1.6%にとどまっている (2014年の法人販売台数は10万台を超える程度)。

地域別の動向と主な注目点

アジアでは2015年第2四半期の販売台数は引き続き好調。中国が継続して伸びており、世界全体の販売台数の約半分を占める。

アメリカでは再び販売が減少したが、インタラクティブフラットパネルディスプレイの法人販売の増加が牽引し、今後は31%のCAGR (2014年から2019年) が見込まれる。

ヨーロッパ・中東・アフリカの第2四半期の販売台数はトルコのFATIHプロジェクト向けの第2段階の大規模な出荷に伴い、前年比75%増だった。2015年は好調を維持して出荷台数は44%増となり、FATIHプロジェクト終了とともに2016年は減少する見込み。

(参照1) Interactive displays refers to Interactive Whiteboards and Interactive Flat Panels used in the Education and Corporate meeting room environments (does not include other applications such as digital signage)

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
電話: 03-6408-5566 Email Address: takashi.kimura@takanalytics.com