フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 83

4KTV需要、2018年までにCAGR(年平均成長率)で72%成長の見込み

2015年01月13日

2014年12月19日英国Dunstable発―Futuresource Consultingの最新調査によれば、世界のテレビ市場は2014年に2億3400万台まで成長し、2013年より3%の成長が見込まれます。しかし、2014年は平均小売価格の652ドルから608ドルへの下落を反映し、貿易額では4%減少の970億ドルに落ち込むことが予想されます。

Futuresource Consultingのシニアマーケットアナリストである Jack Wetherill氏は、「W杯のお蔭で売上増が予想された前半に続き、第3四半期も予想以上の売り上げを見せました。欧州では2014年には5700万台を超える予想ですが、そのうち西欧では前年比2%の成長、東欧では横這いの見通しです」、と語っています。

「北米市場の2014年は4000万台と安定が予測されており、南米は今年は3200万台と17%の成長達成に向かっています。この地域のほとんどの国でまだアナログテレビの終了ができていません。

「アジア太平洋地域では、2014年には8800万台の出荷が見込まれています。同地域は、1億台を超えると予測される2018年までにCAGRで4%の成長が見込まれています。同市場はまだ飽和状態に到達しておらず、デジタルへの切り替えがまだ完全に行われていない国もあります。世界のテレビ市場においては、2億6千万台を超えると予測される2018年までにCAAGR3%が見込まれています。」

4K セットは2018年までに1億台以上売上の見込み

4Kのセットは2014年に1160万台の出荷が予想されており、前年比で700%近くの上昇です。そのうち世界の需要の70%以上が中国に集中しています。西欧と北米の2014年の4K需要シェアはそれぞれ10%と8%となっており、2018年までにCAGRで72%の需要成長が見込まれています。

「4K 採用は2015年以降急激な成長を見せると予想され、2018年に1億台以上の出荷が予想されています。これはテレビ市場全体の38%を占めます」、と言うのは Futuresource ConsultingのリサーチアナリストであるDavid Tett氏。「先月のブラック・フライデー期間中に割引価格で数多くの台数が売られていたのは、4K が主流となる兆候だと思われます。」

4K テレビの売り上げはほとんどが50インチ以上の大画面に集中すると予想されていますが、40インチ以下の画面の4K テレビが広く市場に出回るようになる日もそう遠くありません。4K による地元の番組はまだ数少なく、消費者の多くが、HDからの画質向上と将来4K による地元の番組がより広く出回るようになることを見越した上で4K セットを購入しています。

今後も重要な要因はスマート機能

Futuresourceは、2014年にはテレビ市場で初めてスマートテレビの売り上げが半分以上を占め、2018年までには82%を占めることになるだろうと予想していますが、消費者の多くにとってスマート機能が重要な要因であることには変わりありません。

「テレビ産業のスポットライトはUHDと湾曲画面に当てられていますが、スマートテレビも付加価値のある特長を持った製品として、市場に浸透しています。声や動きの認知、タイル選択型ナビ、画面ミラーリングといったユーザインターフェース の改良は、高級テレビセット購入にあたって消費者に大きくアピールします」、とWetherill氏。

「大画面への移行は今後も続くと予想されます」とTett氏。「4K のお蔭もあって、高解像度の良さは大型画面の方がより顕著に目に見えるのです。50インチ以上の大画面セット(HDと4K の両方)は、現在の18%に比べ、2018年には市場のほぼ25%を占めると予想されます。米国がその先頭を走り、アジア太平洋地域が肉薄しています。

「コンテンツを気にする人たちの間では、スマートテレビの所有者は、いずれ4K による地元の番組を受信するようになった時に、1080pと比較して期待していたほどの画質の向上が見られないのでがっかりするのでは、と心配する声も上がっています。」

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