フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 165

B2Bや企業で注目を集める音声アシスタント テクノロジー動向

2018年07月31日

コンシューマー向け分野における音声アシスタント (Voice Assistant; VA) テクノロジーが驚異的な伸びを見せ、2017年末時点の世界のスマート スピーカー導入は3,700万台に達しています。VAテクノロジーはB2B分野にも展開し始め、Futuresourceは、2022年までに音声対応のプロ用A/Vディスプレイと室内制御デバイスが8200万台出荷されると予測しています。この予測には、医療、サービス、教育分野におけるコンシューマー専用のスマート スピーカーは含まれていません。

Futuresourceのアシスタント ディレクター Chris McIntyre-Brown氏は、「音声アシスタントやスマート ホームに関する多くのアクティビティがコンシューマー向けに実施されていますが、この傾向がB2B分野で大きな関心を生んでいます」とコメントしています。「エンドユーザやサービス プロバイダーは、OEMでもVAや音声制御テクノロジーを活用できることを望んでいます。生産性および効率性の向上と顧客サービスの改善は、VA活用を推進する2つの大きな要因となっています」

Futuresourceの最新の分析では、音声制御/音声アシスタント テクノロジーに関するB2Bへの適用状況や競合状況を取りまとめたものです。レポートで取り上げられている有名ブランドが、戦略的な重要性からB2Bにおけるアクションに参加しようとしていることは明らかです。ユーザー インターフェイスを制御することで、企業はユーザーとの関係をさらに深め、詳細にユーザー分析を行えるようになることで、パーソナライズしたサービスを提案できます。

Amazonは、コンシューマー分野における音声革命をリードし、Alexa-for-Businessスイートの開発を続けています。Alexa-for-Businessスイートには、Office 365やExchange、G-Suiteカレンダーと連携したスマート スケジューリングなどの新たな機能が搭載されます。また、オフィスの制御、自動化、コミュニケーション アプリケーション分野において、Crestron、Polycom、Ciscoなどのトップクラスの企業と提携しています。

B2B分野における草分け的企業であるIBMは、2018年初頭に、同社のAIプラットフォーム「Watson」を、サードパーティ向けのOEM VA ソリューションに展開することを発表しました。AIテクノロジーの適用は大きな関心を集めているため、これも当然の流れです。ただし、McIntyre-Brown氏は次のような見方を示しています。「ほとんどの企業は、音声テクノロジーの最適な導入方法や、自社の顧客に一番適した機能/インテリジェンスのレベルを評価するフェーズにいるため、導入には時間がかかるでしょう。B2Bへの導入は、さらにデータのプライバシーやセキュリティに関する問題があるため、コンシューマーへの導入より遅くなると思われます。音声技術はまだ浸透しきっているわけではありませんが、すぐそこまで来ています。パイロット プロジェクトや、有意義な統合/提携関係も増えています」

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
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