フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 60

世界のフロントプロジェクターの出荷額が26.3億ドルに達する

2014年04月14日

カレンダーイヤー2013年第4四半期 (CYQ4 2013) において、世界のフロントプロジェクターの出荷額は堅調な伸びを示し、出荷台数は212万台となった。出荷総額は26.3億ドルで前年比6%増である。Futuresource Consultingの最新の調査で明らかになった。

ヨーロッパ・中東・アフリカのハイライト

2013年CYQ4の出荷台数は前年比4%増の70万2,000台を記録したが、2012年比6%減を補うには十分でなかった。

東ヨーロッパ
東ヨーロッパの2013年CYQ4の出荷台数は最高の四半期成長を示し、15万1,000台で前年比12%増となった。ロシア政府は2014年冬季オリンピックのため、一時的にインフラ整備に資金をあてていたが、それが終わると高水準の出荷台数を取り戻し、前年比10%増の78万300台となった。そのほとんどが教育セクターで利用され、高水準の出荷台数は短期的に続くと思われる。東ヨーロッパのEU加盟国においても伸びがみられた。これは第4四半期という小売り期間に起因するだけでなく、2007年から2013年のEU予算の残額を使い切ったことによる。

中東とアフリカ
中東とアフリカは穏やかな成長にとどまり、2013年CYQ4の出荷台数は前年比1%増の13万9,000台となった。これはサウジアラビアとUAEにおける教育プロジェクトが結実しなかったためだ。しかし、中東・アフリカ地域ではフロントプロジェクターの普及率が低いため、長期的には依然として高い成長を示す可能性がある。

西ヨーロッパ
西ヨーロッパ全体の2013年CYQ4の出荷台数は前年比3%増の41万2,000台となった。これはフランスとドイツにおける好調な小売販売の結果であり、それぞれ前年比8%増と9%増を記録している。スペインも2011年以来、最高の出荷台数を記録し、2013年の最終四半期における出荷台数は33万900台となった。イギリスのプロジェクター市場は不振で総売上は前年比5%減となっている。

アジア・太平洋のハイライト

アジア・太平洋地域における2013年CYQ4のプロジェクター出荷台数は、前年比5%増の83万5,000台となった。しかし、2013年CYの年間出荷台数は2012年CYの318万台に対し、0.2%減の317万台となった。

中国と日本
成長軌道に戻った中国はその状態を維持しており、2013年CYQ4の出荷台数は前年比8%増の49万6,000台となり、年間出荷台数でも前年比3%増となった。CY2012の終わりにかけて日中間の政治的緊張が緩和したことと、2013年初めに少しの間出荷台数が減少したことにより潜在的需要が高まったことが影響している。

インドと韓国
インドでは通常、CYQ4の出荷台数は低迷するものだが、経済状況と教育予算の遅延により、プロジェクターの需要が依然として抑えられている。2013年CYQ4の出荷台数は大幅に減少し、前年比21%減の4万1,000台となった。韓国では引き続き、レクリエーションとエンターテイメントのためのプロジェクター需要が非常に多く、2013年CYQ4の4,000~5999ルーメンのセグメントにおける売上は前年比38%増となった。その結果、同四半期には全体で前年比8%増となった。

南北アメリカのハイライト

南北アメリカでは2013年の出荷台数は概ね低調で、2013年CYQ4においては前年比8%増だった。

アメリカ
アメリカはこの地域の成長の牽引役を担い、事実上すべての市場セグメントで売上が増加した。CY2013の第1四半期から第3四半期まで売上は低迷していたが、第4四半期は前年比12%増となった。

ラテンアメリカ
ラテンアメリカではブラジルを除いて出荷台数が低迷しており、2013年CYQ4は前年比20%減となった。Secretariat of Public Education (メキシコ教育省) は2014年までに24万人の生徒にノートブックパソコンを提供する計画を推進したが、教室にメインディスプレイを設置する計画は明示されていない。アルゼンチンの関税障壁がプロジェクター市場の成長を依然として妨げており、2013年最終四半期の輸入は7,000台超にとどまっている。ラテンアメリカのその他の地域をみると、2012年には小さな国々において成長の明るい兆しがみえていたが、現在は教育現場用プロジェクターの入札は大幅に減少している。法人市場も停滞が続いており、多機能でより価値の高い製品に乗り換えるだけの誘因がない。

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