フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 250

2022年の世界のヘッドフォン市場は550億ドル規模になる勢い

2022年11月29日

ヘッドフォンへの需要は衰える気配を見せず、Futuresource Consultingの予測では世界のヘッドフォン市場は今年、販売台数では0.4%、売上高では14%の成長が見込まれるという。 最新の市場レポートの中でFuturesource Consultingは、今年末までに世界で販売されるヘッドフォンの小売市場での売上高は総額で550億ドルに達するとの見通しも明らかにしている。

Futuresource Consultingの市場追跡データで今年前半を振り返ると、市場は販売台数で2.5%成長した。

過去2年間の成長率には及ばない数字だが、これは主に、需要の減速と中国におけるロックダウンの影響だ。 しかし、市場には明るい材料もいくつかある。 完全ワイヤレスヘッドフォンの今年上半期の販売台数は1億2300万台で、売上高は140億ポンドとなり、ともに前年同期比で14%の伸びを示した。

完全ワイヤレスヘッドフォンの成長は続く

「ヘッドフォン市場の販売台数の伸びはわずかだが、完全ワイヤレスの分野では大きな期待が持てる」と、Futuresource Consultingの上級市場アナリストであるSaran Mathivananは言う。 「わが社のデータを見ての通り、完全ワイヤレスヘッドフォンの出荷台数は今年、13%の成長が見込まれる。他の形状のヘッドフォンを食う形で、市場の平均価格を押し上げている。 完全ワイヤレスヘッドフォンは世界中の消費者のライフスタイルにしっかりと定着しており、わが社が予測の対象としている期間内では全体の需要は堅調だとわれわれは見込んでいる」

景気の先行き不透明感が市場に影響

「生活費の上昇危機や景気後退のシグナルといった先行き不透明感が頭をもたげる中、生活必需品以外の物に対する消費者の財布の紐は固くなっている。 だが現在の経済状況が結果としてもたらすのは、2008年世界不況の際のような激しい衝撃というよりは、消費者の可処分所得の緩やかな減少になる可能性が高い。

「世界のヘッドフォン市場は2023〜24年に減速するだろうが、縮小することはないとわれわれは考えている。 かなりの数の消費者が購入を先延ばしにしたり、もっと安い価格帯の製品の購入を検討したりするだろう。そして2024年末からは市場の回復の強い兆しが見えてくるはずだ」