フューチャーソース・コンサルティング 最新市場 分析レポート

Vol. 243

ワイヤレス・プレゼンテーションおよびコンファレンシング・ソリューション市場の悲喜こもごもの結果および新たな機会

2022年05月31日

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界を震撼させ始めてから、ワイヤレス・プレゼンテーション・ソリューション(WPS)とワイヤレス・コンファレンシング・デバイス(WCF)の運命は分かれた。 Futuresource Consultingの新しい市場レポートによると、WPS市場は下降線をたどる一方、WCF市場は有望な技術機会としてさらにその地位を確立することができたという。

しかし、WPSは2年前から減少しているものの、将来は明るい。Futuresourceは、WPSとWCF製品の合計出荷台数が、昨年の67万4000台から、2026年には130万台近くになると予測している。

Futuresource ConsultingのマーケットアナリストであるDila Cebeciは、「多くの人が、パンデミックとその影響について聞き飽きていることでしょう」と語る。 「しかし、技術的、行動的に根本的な変化をもたらしたので、その余波は今後長い間続くでしょう。また、ワイヤレス・プレゼンテーション・システムのように、物理的な空間に人が集まり、デバイスのコンテンツを共有ディスプレイに映し出すことに依存する製品では、その効果が増幅されます」

ワイヤレス・プレゼンテーション・ソリューションは厳しい状況に置かれているが、回復しつつある

「市場は大きな打撃を受け、2020年には25%の数量が減少しています。その後、2021年には、2020年後半のワクチン配布開始を契機に楽観論が復活し、オフィスへの回帰は必至と思われました。しかし、コロナウィルスの新型が出現し、投資計画を再度見直す必要が出てきたのです。WPSの数量はやはり打撃を受けましたが、2020年よりはるかに軽微で、前年比3%減少にとどまっています」

そして現在では、Barco、Screenbeam、Airtameなどが中心となって、WPSデバイスの普及が進んでいる。教育分野でのビジネスチャンスは、全ての地域に広がっている。また、APACや中国のビジネス拠点でも、会議室等での設置が急増しており、市場を活性化させている。

ワイヤレス・コンファレンシング・デバイスが生み出す付加価値

WCF市場は、ハイブリッドワークやリモートワークの台頭に後押しされ、パンデミックを通じて拡張の波に乗り続けている。2021年には前年比14%成長を遂げ、会議室の将来のあり方を模索し、遠隔地の参加者との効果的なコミュニケーション確保を望む企業に受け入れられている。

WCFの活況ぶりは主に米州とEMEAに集中しており、Barcoのアグノスティックな無線会議室システム「Clickshare」は通年で売上を伸ばし、成長に大きく貢献している。2021年のハードウェア数量に占めるワイヤレス・コンファレンシング・ソリューションの割合は22%で、2020年のシェアから8ポイント上昇し、MersiveやBarcoといったブランドがこのカテゴリーを牽引している。