
トレードショーから帰ってくる度に、消費者は何を買うのに行列をつくるのだろうかとか、次のiPhoneはどの製品になるのだろうかという内部情報を聞かれる。
彼らが本当に望んでいるものは、野球場2、3個分に相当するような広大な場所に広がった数百の出展者を有するトレードショーの30秒の要約なのである。残念ながら、そのような簡潔な要約はまったく不可能であり、実際に、トレードショーを訪れる意味を失わせる。
実際、トレードショーで劇的なイベントや演説、製品発表が行われることは稀である。つまり個々のショーは、一つの商品またはサービス自体が息をのむようなものであることは稀で、単なる進化の過程の一つの段階とみなすことなのである。もっと正確に言えば、その場で混ざり合ったアイデアが展示場全体に、さらには次から次へとトレードショーにわたって広がっていき、それが真に草分け的な製品、またはさらに新しい産業・業界をもたらすことにつながる。
簡単な液晶パネルを例に挙げると、それらは当初、1970年代に時計やいくつかの携帯型ゲーム機の画面として商品に組み込まれた。1990年代には、それがコンピュータモニターの市場に入り込み、非常に素晴らしいとみなされたが、高価であった。しかし、当時Comdex展示場を液晶の最新作を見て歩いていた我々のうちの誰が、技術が向上し、価格が低下し、インターネットが普及し始めたとき、フラットパネルの市場がどこに向かうのかを想像できただろうか。
今日では、複数画面を有するラップトップ、同乗者それぞれのためのモニターを有する自動車、24時間プログラムされたガソリンステーションや自動販売機を見ることができる。飛行機に乗り、歯医者を訪れたときに、最後にモニターが目の前になかったのはいつだったか。街を歩いて、何人の人がまわりの景色を楽しんでいるのではなく、携帯電話を覗き込んでいるかを数えてみなさい。今では視界内にほとんど常に画面があるので、コンテンツや広告を目に訴えるための競争が存在する。そして企業は、そのコンテンツを新しい場所に提供する方法を開発している。
1999年にそれがやってくると果たして予見していたのだろうか?
10年後、世の中はすべてデジタル・コンバージェンスである(実のところ、10年前にさかのぼるハードウェアとコンテンツ傾向の延長である)。個人的に、私はCEATECで重要な進歩を探している。すなわち、娯楽の世界を携帯電話より強力で頑丈な装置に入れて持ち運びすることを可能にするハードウェアの向上、Wi-Fi可能な自動車のようなユビキタス・インターネット接続、およびおそらく最も重要なこととして、コンテンツ・オーナーが技術に追いつくことを助長するビジネスモデルである。
したがって、今年、CEATECを歩き回り、最も新しく、最も素晴らしい偉大な装置を評価するとき、見たもので何が最も素晴らしかったかという質問に答える唯一の会社または機器を期待していない。むしろ、全体的に判断すると、ごく近いうちに世の中がどのようになるかの片鱗を示すであろう会社および進歩の集まりを探している。
スコット・アード氏は、ウェブの主要な技術サイトであるCNETの編集長として、CNETニュース、レビュー、テレビおよびダウンロードの編集業務を監督している。毎月、全世界で7200万人のユニークな閲覧者を引きつけ、3億7000万のページビューを提供している。スコットは、20年以上ジャーナリストとして働き、それ以上の長い期間にわたって技術のアーリーアドプター(早期採用者)であった。彼の最初のパソコンは(80カラムカード、マウスカード、300 baudの内臓モデムが搭載された)Apple IIeと(ソフトウェアを使ってゲームをコピーするのに理想的な)Duo Disc Driveであった。彼は、家庭用オーディオ及びビデオ装置にも熱狂的である。大学生のときに、垂直ターンテーブルを有する三菱のオールインワン・ステレオを購入した。スコットは、1996年にCNETにパートタイムで入社し、数年後にフルタイムの主席編集員になった。彼のキャリアは、印刷物とWebの出版に大別される。